昨日のざぁざぁ降りの雨とは違って
朝からしとしと 静かに雨が降り続いている
月曜日火曜日と仕事で休みは無く
慌ただしい日を過した
週の真ん中 水曜日が休息日
週末に借りたDVDを返す用事
それと二週間くらい前に食事をした
レストランに忘れ物を取りにゆく用事
この二つを今日中に片付けたいと想い
昨夜のうちに ヴィラージュへ予約を入れた
とても静かで素敵なフレンチレストラン
高級住宅地へと昇る坂道の途中
看板と花車が無ければ
どこから見てもお家にしか見えない
場所にヴィラージュがある
忘れ物とは 「猫の手拭い」
その他愛無い 忘れ物を
いつも額装創りに 使っている 額装店ラセットへ
わざわざ知らせに足を運んで下さったのだ
ビラージューへ行ったその日 たまたま
猫の和紙の写真 娘の写真 桜の写真やらを
ラセットへ額装依頼をしに届けようと持ち合わせていた
小さな和紙創りの桜がマスターの
目に止まり 声を掛けられた
「綺麗ですね?」
人見知りの激しい 私は
ただ目配せだけで 「うなずく」
この愛想の無さで
大抵は社校辞令のような挨拶で終わるのだけど
なぜか 大きな写真も観てみたいと言われ
私も持っていた 家の愛猫を見せたくなり
ずうずうしくも 人様の前で開いて観て頂いた
和紙で印刷した ふわふわとした写真が
想いの他に珍しかったのか
それとも家の愛猫の 瞳の大きさに見惚れたのか
それとも ご近所の坂上にある「額装店のラセット」へ寄るからと
覚えていてくれたのか
その「猫の手拭い」は きっと 私の持ち物に違いないと
確信したらしく
もう少し坂の上のある ラセットへと知らせに来てくれたのだ
その時すぐに 電話でも掛ければ良かったのだけれど
気のつかない 私は「今度ゆくときでいいかな...」と軽い気持でいた
その後 マスター シェフと代わる代わる
二度も その「猫の手拭い」為に
坂道を上がってきてくれたと伝えられ恐縮してしまった
まぁ ただ取りにゆけばいい話しなのだけれど
「二度 わざわざ坂上まで....」
そんな想いが重なり 今日こそはと 想い予約を入れた
ヴィラジュのお料理
これが とてもお上品で絶妙な味付け
マスター曰く シェフが その時入ってきた
お客様の姿を感じとって 味を濃いめとか 薄味とか 考えるのだと
「お客様から 何かを感じ取る」
そんな 話しを聞いて
味の濃いもの スパイスの濃いものの苦手な 私は至って感激した
大抵のお店は 味 スパイスを薄めになどと言えば
味の無い料理が出てきてしまったり
どんなにお願いしても 「出来ません」最初から入っています
などと あまり歓迎されない態度を取られてしまう
というか レシピ以外作れない が当たり前とも言う
素敵なレストラン...と言う響き
この中に何を入れる...と言われれば
美味しさ.. お店の雰囲気の良さ...などが当たり前とも言える
でも忘れてはならない物が....もう一つ有る
そのお店の色...人柄
いくら 高級食材を使っていたとしても
その お店のウェイターさんが 心ない想いを持っていたら
折角の美味しいお料理も台無しになる
食べ物だけではなく たった一つの仕草で見えてしまうものがある
雨模様
こんな日に素敵なお庭のお話しをして下さった
お店の奥様の心使い
坂道と同じ様な作りの お庭には
オールドローズが 70種類植えられていると
ひとつ ひとつに愛情を注いでいる
その一言一言に現われている とても優しく話して下さり
手に取るように伝わってくる
今日初めて長いお話しをしたとは想えない
可愛らしさと懐つこさ醸し出す彼女は 私に
「いつも カメラお持ちなんですか?」
私が「今日は雨なので カメラを持ってきていないの」と言うと
「主人がカメラを買ってきてくれてね」...
......人様のカメラ....それも触った事も無いキャノン
それを持ってくるから それで 薔薇を撮って欲しいと...
三枚くらい 恐る恐るパチリパチリ撮ってみたものの
どう撮れているのやらと.... 不安を後に
ビラージュの奥様との会話を想い出しながら
傘をさし 長い坂道を とことこ降りてゆく
美味しいランチ 暖かな心遣い 美しい花の観賞
外は雨だと言うのに足どり軽く
ぽっぽと暖かくなるような心で家路を楽しんだ
雨の日の私の休息日....
.......因に雨だと言うのに 片瀬県道は 長い長い車の渋滞
そんな訳で DVDは返却出来ませんでしたげど...
.....お仕舞い